文化経済の優位性〜東京一極集中から脱皮

東京圏にディズニーランドが出現して以来

そのマグネット効果は強力で

全国各地からの集客力が抜群で
次々とディズニー王国のシリーズを拡大している。
 
かなりの年月を経て、
大阪圏はユニバーサルスタジオの誘致により
それなりの威力を発揮しているが、
東京圏との格差はまだ埋まってはいないのが現状。
 
 
 
もう一つの中部圏はどうだろうか?
 
世界的に強力な工業生産力では、
独自性を誇っているが、
東京圏や大阪圏のような文化経済を担うテーマパークでは
大きく水をあけられていた。
 
それが、ついに、ジブリパークの登場によって、
大きな期待が寄せられている。
 
日本独自の発想による
耳をすませばなどのアニメの舞台を再現し、
初年度の来場見込みは12月までに
かなりの強気な誘致を見込んでいるが、
既に年内のチケットは完売した。
 
ジブリパーク内は 5つの区画に分かれており、
そのうちの3区画がまずオープンした。
 
ジブリ映画の世界をゆったり楽しめるように、
日時の指定の予約制。
 
延床面積は、延べ9600平方メートルの大型施設、
映画の名場面がフィギアで再現されており
登場人物になったつもりで、写真などが取れる。
 
11月1日にオープンした。
 
このテーマパークは、
中部エリアの観光の目玉として
コロナの打撃や制作材料の高騰等を
はねのけて、中部地帯の観光名所として
大きな期待が持たれている。
 
施設の制作コストは、
県が340億をかけて整備、
運営は中日新聞社等の共同出資による会社が担う。
 
その経済効果としては、
23年度以降年484億円を見込んでいる。
 
周辺の交通機関の充実にも、
名鉄バス名古屋駅発のバスの延伸、
国際空港とジブリパークの直行バスを走らせる。
 
 
 
また、名古屋市内のホテルでは
朝食だけの利用客を取り込もうとする動きも相次いでおり、
宿泊客以外のニーズも掘り起こそうと懸命になっている。
 
例えば、ANAクラウンプラザホテルグループでは、
館内でのレストランの定額サブスクリプション
定額制度を取り入れた。
 
通常3500円の朝食を取り入れ、
平日に限り30日間が何度でも利用できる仕組み。
 
また、ヒルトンホテル名古屋では
11月からクリスマスをイメージしたのを売り出し
本来は、昼食がメインだったのを
エッグベネディクト、フルーツサラダといった
朝食向きの料理が並ぶ。
 
女性客を中心に予約は好調な出足。
 
 
 
政府の観光支援策や全国旅行支援などの背景には
中部三県では、観光客が戻り
インバウンドの回復も力強く拡大している。
 
中部三県の鉄道、ホテル、空港等が競って、
中部圏の観光産業の向上に努め 
インバウンド並びに国内、旅行客のニーズや、
ウォンツに十分に応える体制を
築きあげつつある。
 
こうした総力を上げた集客のカギづくりが
相乗効果を作り出し、
中部圏としての文化、経済の効力を発揮することに
大いなる期待が寄せられている。
 
 
 
資源のないわが国にとって、観光産業は
経済成長に欠かせない主要産業である以上、
海外からの誘致のみならず
国内の旅行客を定着させることが不可欠な課題として
国全体が問題意識を共有して
発展させることを願わずにはいられない。