働き方に対する視点が変わりつつある。
雇用する企業側の発想にとどまらず、
長年にわたって、働く従業員の立場を
重要視した対策が検討されている。
例えば、役職定年の廃止等は、
有能な才能もきりすてられ
企業にも、本人にとっても損失を招く。
それは、役職定年によって賃金が下がる以上に
パフォーマンスも低下してしまうからである。
いくつかの事例を見ると、
例えば、NECにあっては、
従来の定年年数の延長も実行の上、
役職定年をなくし、
働く側の意欲と、ときには、
賃上げも可能であるとしている。
また、大和ハウスの場合は
定年を65歳に伸ばすことでシニア社員の意欲を高め、
評価においては、昇格の機会もあるとしている。
こうした事例の背景には、
経済同友会の次期代表幹事に
サントリーホールデイングスの新浪社長が
内定していることにある。
氏が、かねてから提唱しているのは、
45歳定年制であり、
個人は会社を頼らない仕組みが
必要だとしている説が背景になっている。
年齢や勤続年数で賃金や役職が上がるという
日本型の雇用制度に見直しが必要なことが
ここにきて、社会全体のコンセンサスになりつつある。
今注目されているのは長期にわたる勤務制度ではなく
個々人の能力に応じた働き方を評価するジョブ型の登場である。
こうした傾向は個人の働く意欲を高め、
それと同時に、
企業側にとっても有益と見なされている。
働く側の才能や意欲を尊重し、
性別にかかわらず、働き方の自由を高め、
雇用する企業にとっても有益なあり方として、
今後も広く浸透していくに違いない。